痛みはどうして起きるのか?

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痛みには種類がある!?

痛みには大きく分けて3つの種類があります。けがなどの痛みである、侵害受容性疼痛神経自体が損傷して直接痛みが起きる神経障害性疼痛そして社会的要因等で何らかの理由で脳自体で痛みを感じている心因性疼痛の三つの種類です。図に表すとこのように書かれることが多いのですが・・・ この絵だと少しわかりにくいかもしれませんから、痛みの仕組みに着目して並べ替えてみます。 けがなどによって皮膚や内臓などの神経終末である侵害受容器というものが刺激されて侵害受容性疼痛が起きます。ここではさらに損傷が起きた組織から作られる様々な発痛物質によって痛みが増強されます。 神経そのものが損傷して痛みが出る神経障害性疼痛は、神経のケガではあるのですが、痛みが出る仕組みはケガの仕組み以外にもさらに複雑なメカニズムがありますからなかなか厄介です。 そして心因性疼痛・・・これは従来、様々な治療に反応しない、原因がよくわからない痛

痛みの悪循環

痛みが起きるメカニズムはこのようにいくつかあるのですが、一度痛みが出てしまうとその種類にかかわらず、痛みそれ自体が悪循環を起こしてしまうことがあります。 それぞれの痛みについてもう少し詳しく説明させて頂く前に、この「痛みの悪循環」について説明させていただきます。 痛みは体の緊張を高めます。これは交感神経という、自律神経の中で体の緊張を高める神経が興奮するからです。そのため血管が収縮し、筋肉の緊張も高まるためさらに血流が悪化します。血流の低下が持続すると徐々に組織が酸素欠乏となり、また新陳代謝が悪化し組織が障害されてしまいます。組織が障害されると各種発痛物質が産生され、これらが痛みを誘発するようになります。 痛みがあれば必ずこのような悪循環になるというわけではありませんが、悩みごとと一緒で、一度なってしまうとなかなかここから抜け出せなくなってしまいます。 さらに、必ずしも痛みだけが原因で

侵害受容性疼痛

侵害受容性疼痛では怪我をして壊れた細胞からプロスタグランジンという「痛み・熱・腫れ」を引き起こす成分が作られます。 この後さらにブラジキニンという成分が血液から遊離してくるのですが、これは神経自体の感受性を高めてしまう・・・つまり神経を過敏にしてしまうので、プロスタグランジンの発痛効果を増強してしまいます。 ケガをしたときや熱が出たとき、皆さんは「痛み止め」や「熱冷まし」とされているお薬を使っていませんか? バファリンやロキソニンの様な解熱鎮痛薬は熱や痛みに効きますよね! これらの解熱鎮痛薬は、このプロスタグランジンが出来るのを抑えることによって痛みや熱・腫れを軽減します。 日常生活で経験する多くの痛みは、このような炎症反応に伴ってプロスタグランジンが出来る事によって出現するのですが、なかにはこれらの解熱鎮痛薬が効かない痛みがあります。 それは、痛みが出る仕組みにこのプロスタグランジン

神経障害性疼痛

馴染みのない言葉かもしれませんが、最近時々TVで有名な俳優さんがアピールしていますので聞いたことがある方もいるのではないでしょうか? 神経障害性疼痛は文字通り神経自体が損傷して起きる痛みです。 神経が損傷すると、もちろん侵害受容性疼痛と同じメカニズムが働きますが、この場合は神経自体で炎症が起きますからそれだけでも激しい痛みが起きます。 通常のケガでも、綺麗に治る場合もあれば、なぜかいつまでも直りが悪かったり、傷が瘢痕化してしまったりする事があります。 体の表面のケガであれば目で見ることができますから傷の状態は比較的把握しやすいのですが、神経のケガの場合、多くは実際に目で見ることが出来ませんからなかなかその状態の判断は難しくなります。 そのような場合には、その代表的な症状から原因を推察せざるを得ません。 神経障害性疼痛の代表的な症状としては、まずこのような症状が多くあります。 正座をし

中枢神経障害性疼痛(心因性疼痛)

その時の医学では明らかな原因が分からないため、痛みの原因は心の病気であるといわれた時代があり、その頃の名残で心因性疼痛と呼ばれていました。 最近は脳科学の急激な進歩により様々な脳の機能が解明され始めており、脳の機能異常が痛みの感受性を変化させる(敏感にする)可能性が考えられています。 いわゆる精神疾患と呼ばれていたうつ病や統合失調症等も、最近はパーキンソン病などと同様な脳の機能(器質)異常とされ始めているのと同じで、高血圧や糖尿病などと同じ、体の異常に起因する疾患と捉えられ始めています。
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